どうして目でものが見えるのでしょうか。これは単純なようでいてなかなか一口で説明するのは難しいのですが、眼の構造はよくカメラにたとえられます。最近ではデジタルカメラも多く、カメラの構造もフィルムカメラ時代とは様変わりした感がありますが、これはフィルムの代わりに電子的に画像を記録するようになっただけの話で、光学系としては変わっていません。要はレンズを用いて光を屈折させ、外の風景、写したいものをフィルム上に映し出しているわけです。
眼の構造も基本的にはこれと同じです。眼球には水晶体というレンズの役割をするものがあり、これで外部の光を屈折させて眼の奥にある網膜上に映し出しています。もちろん近くと遠くとではピントを合わせる必要がありますが、これは水晶体の厚みを両側から引っ張っている筋肉の力で調整することで屈折力を変化させています。
さて、では外部の風景が網膜上に映ることでヒトはものが見えるということでしょうか。残念ながらこれでは説明は半分に過ぎません。網膜に映っただけではまだ脳はそれを感じておらず、認識したことにはならないのです。脳に情報を伝えるのは視神経の役割で、網膜上の細胞が興奮して電気信号を発することによりその刺激が視神経を介して脳に伝えられるようになっているのです。